SV925とSV950の違いとは?シルバーアクセサリーの魅力と選び方を明石のアトリエから解説
ジュエリーブランド「WAS KNOT WAS」代表の越智です。
兵庫県明石市のアトリエを拠点に、デザイナーと職人の視点を交え、細部にこだわって製作したジュエリー・アクセサリーの魅力を発信しています。
「SV925」や「SV950」といった数字。シルバーアクセサリーの刻印や説明でよく見かけるものですが、具体的にどのような違いがあるのかご存じでしょうか。
シルバー(銀)は、ゴールドやプラチナと並ぶ貴金属であり、他の貴金属にはない独自の輝きと表情を持っています。WAS KNOT WASでも、アイテムの造形やデザインの魅力を引き出すために、厳選したシルバー素材を用いて一点一点丁寧に仕立てています。
この記事では、純銀(SV1000)の性質から、SV925・SV950の特徴、さまざまな表面仕上げの魅力、金属アレルギーに関する注意点、そして長く美しく愛用するためのお手入れ方法まで、職人の視点から分かりやすく解説いたします。
「純銀(SV1000)」と割金の仕組み
シルバーの純度は千分率(‰ / パーミル)で表されます。「SV1000」や「SV999」は、純度100%の純銀を意味します。
なぜジュエリーに「純銀(SV1000)」は使われないのか?
「純銀が一番良いのでは?」と思われるかもしれませんが、ゴールド(K24)と同様に、純銀は非常に柔らかく、手で曲げられるほどです。そのため傷や変形に弱く、日常で身につけるジュエリーの形状を保つには不向きです。
そこで、銀に銅などの他の金属(割金/わりがね)を数パーセント混ぜ合わせることで、ジュエリーに必要な強度と耐久性を与えたのが「SV950」や「SV925」です。
計算式:数値から純度を求める
- SV1000(純銀):銀含有率 100%
- SV950(ブリタニアシルバー):銀含有率 95.0%(残りの5.0%が割金)
- SV925(スターリングシルバー):銀含有率 92.5%(残りの7.5%が割金)
「SV950」と「SV925」それぞれの特徴
WAS KNOT WASでは、デザインの意図や手仕事の質感に合わせて、SV950とSV925を適切に使い分けています。
SV950 銀含有率95.0%(柔らかな白い輝きと豊かな風合い)
純銀に近い純度を保ちつつ、実用的な強度を持たせた素材です。割金が5%と少ないため、銀本来の明るく柔らかな白い輝きが際立ちます。
- 特徴
柔らかさと粘り強さがあり、繊細な手彫りや独自のテクスチャー(表面加工)を表現しやすい。 - こんな方におすすめ
金属としてのニュアンスや、手仕事ならではの温かみある質感を楽しみたい方。
SV925 銀含有率92.5%(世界基準の硬度と耐久性)
「スターリング(Sterling=純正の、本物の)」の名を冠する、世界中で最も広く愛用されているシルバーの標準規格です。
- 特徴
割金の割合がやや大きいため硬度が高く、傷がつきにくく、変形にも強い。華奢なリングや強度が必要なパーツに適している。 - こんな方におすすめ
デイリーに気兼ねなく身につけたい方、エッジの効いたシャープなデザインを好む方。
純度による特徴比較
SV1000(純銀)
- 銀含有率:100%
- 硬度・強度:非常に柔らかい(傷つきやすく変形しやすい)
- 輝き・色味:非常に白く明るい輝き
- 主な用途:銀インゴット、銀貨、飾り品
SV950
- 銀含有率:95.0%
- 硬度・強度:しなやか(手仕事の質感が活きる)
- 輝き・色味:銀本来の上品で柔らかな白さ
- 主な用途:クラフトジュエリー、手彫りアイテム
SV925
- 銀含有率:92.5%
- 硬度・強度:高い(日常使いに耐える硬さ)
- 輝き・色味:シャープで鮮明な輝き
- 主な用途:シルバーアクセサリー全般、チェーン、リング、バングル
シルバーの魅力を引き立てる3つの表面仕上げ
シルバーという素材の最大の醍醐味は、仕上げや加工によって全く異なる表情を見せてくれる点にあります。
圧倒的な光沢を生む「鏡面仕上げ(ポリッシュ)」
実は銀は、金属の中で最も高い光反射率を持つ素材です。丁寧な磨き上げによって作られる鏡面仕上げは、その特性を最大限に引き出します。
光を鮮やかに弾き返すまばゆい光沢感は、シンプルでありながら圧倒的な存在感を放ちます。クリアで清潔感のある洗練された印象を与えたいアイテムに最適です。
落ち着いた質感と肌なじみ「つや消し仕上げ(マット/ヘアライン)」
あえて表面に細かな傷やブラスト加工を施し、光の反射を抑えた仕上げです。
シルクのような柔らかくシックな質感に仕上がり、輝きを控えめに抑えながら肌になじむ、上品な印象を好む方にも取り入れやすい仕上げです。
陰影と立体感を宿す「燻し(いぶし)加工」
シルバーが持つ化学反応(硫化)を意図的に利用し、表面の凹みに黒みを与える技法です。
光る部分(凸)と陰になる黒(凹)のコントラストが生まれることで、職人の細工や彫刻の立体感が際立ち、重厚感とアンティークのような味わい深い魅力を引き出すことができます。
金属アレルギーと「ニッケル」について
「シルバーを着けると痒くなる」という経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
シルバー自体は、貴金属の中でも比較的アレルギー反応を起こしにくい素材とされています。アレルギーの主な原因となっているのは、割金や下地メッキに含まれる「ニッケル」という金属です。
ニッケルは安価で加工性が良いため広く使われてきましたが、汗で溶け出しやすく、金属アレルギーを引き起こすリスクが高いことで知られています。
WAS KNOT WASでは、お客様に安心して長く身につけていただけるよう、割金の成分にも配慮し、ニッケル不使用(ニッケルフリー)の安全性の高い上質なシルバー素材を中心に使用しています。
※金属アレルギーには個人差がありますので、極端に肌が敏感な方は、割金の銅成分などにも反応する場合があるためご相談ください。
永く美しく愛用するための「お手入れ方法」
シルバーは空気中の硫黄分と反応して徐々に変色(硫化)する性質がありますが、これは「生きている金属」とも言われるシルバーならではの魅力でもあります。日々の簡単なお手入れで、いつでも輝きを取り戻すことができます。
- 日常のケア(クロスで拭く)
ご使用後は、柔らかい布や専用のシルバー磨きクロス(ポリッシュクロス)で汗や皮脂を優しく拭き取ってください。これだけで日々の表面のくすみは十分に防げます。 - 黒ずみが気になるとき(クリーナー・洗浄液)
全体が黒ずんできた場合は、シルバー専用の液体クリーナー(浸漬液)やシルバー用研磨剤をご使用いただくと、瞬時に元の輝きを取り戻せます。
※注意:燻し加工やつや消し仕上げが施されたアイテム、または繊細な天然石が留められたジュエリーは、研磨剤や強力な洗浄液で風合いが損なわれる場合があります。仕上げに応じたケア方法をおすすめします。 - 保管方法
しばらく身につけない時は、空気に触れにくいジップ付きの小さな袋に入れて保管することで、変色を大幅に遅らせることができます。
From the WAS KNOT WAS Atelier
シルバーは、身につける人の時間とともに少しずつ表情を変え、馴染んでいく育てる楽しみのある素材です。「SV950のしなやかさと柔らかい白さ」を活かすか、「SV925の確かな強さとシャープさ」を活かすか。
そして、鏡面・つや消し・燻しといった表情の選択。WAS KNOT WASでは、明石市のアトリエにて、デザインや用途ごとに素材の特性を見極め、一点一点にこだわりを込めて製作しています。
ご自身のライフスタイルや好みに合ったシルバージュエリーをお探しの際は、ぜひお気軽にご相談ください。日々の装いにそっと寄り添う、お気に入りの一品を見つけるお手伝いをさせていただきます。
Written by Hideo Ochi(WAS KNOT WAS Designer / Craftsman)






