プラチナとは?ホワイトゴールドとの違いやブライダルリングに選ばれる理由を職人が解説
ジュエリーブランド「WAS KNOT WAS」代表の越智です。
兵庫県明石市のアトリエを拠点に、デザイナーと職人の視点を交え、細部にこだわって製作したジュエリー・アクセサリーの魅力を発信しています。
銀白色の澄んだ輝きを放つ「プラチナ」。
婚約指輪や結婚指輪の定番素材として、多くの方に親しまれている金属です。
しかし、プラチナを探していると「ホワイトゴールド」という似た名前の素材を目にして、「見た目はどう違うの?」「同じ白い金属なら何が違う?」と疑問に思ったことはありませんか?
今回は、意外と知られていないプラチナという金属の本来の特性から、間違いやすいホワイトゴールドとの違い、知っておきたい特徴について、職人の視点を交えて分かりやすく解説します。
プラチナとはどんな金属? — 天然の白さと希少性が生む価値
「プラチナ(Pt)」は、人工的に色を作ったものではなく、生まれながらにして美しい銀白色をした天然の貴金属です。
塩素などの腐食性物質に対して強い耐性を持ち、変色・錆びにくい特徴があります。日本では婚約指輪や結婚指輪のイメージが強いですが、実は世界的に見ると、その優れた化学的安定性から医療機器や自動車の排ガス浄化触媒、石油精製装置、宇宙開発など、幅広い分野で重宝されています。
ゴールドを圧倒する希少性
プラチナは「レアメタル」と呼ばれる非常に希少価値の高い金属の一種です。主な産出国は南アフリカやロシアなどごく一部の地域に限られています。
1トンの原鉱石から採れるプラチナはわずか3g程度が目安とされています。
これはおよそ指輪1本分にしかなりません。有史以来、人類が採掘したプラチナの総量をすべて集めても約7,000トン。競泳用プール1杯にも満たない量しかないと言われており、その希少性は金を遥かに上回ります。
一目でわかるプラチナとホワイトゴールド(WG)の5つの違い
一見すると同じように見えるプラチナとホワイトゴールドですが、素材の生い立ちから性質まで、全く異なる金属です。
職人の視点から5つのポイントで違いを整理しました。
色味と輝き
- プラチナ
天然の銀白色。落ち着いた上品な深みのある輝きを放ちます。 - ホワイトゴールド
本来は黄味を帯びたゴールド(金)に、銀やパラジウムなどの白い金属を混ぜ、仕上げに「ロジウムコーティング」を施して白く見せています。
耐久性と変色のしづらさ
プラチナは非常に安定した金属で、温泉の硫黄分や汗、漂白剤、プールの塩素などに触れても変色・変質することはありません。
一方、ホワイトゴールドは長年の使用により表面のコーティングが摩耗すると、地金本来のほんのり黄色みがかった色合いが現れることがあります。
重量(手に取ったときのマテリアル感)
プラチナはジュエリー素材の中でも特に密度が高い金属です。
同じデザインの指輪であっても、ホワイトゴールドに比べて手に取った時にずっしりとした心地よい重みと高級感を感じられます。
純度の違い
一般的なゴールドジュエリー(K18)の金含有率が75%であるのに対し、プラチナジュエリー(Pt900やPt950)は90%〜95%がプラチナ成分です。純度が高いため、金属アレルギーが起こりにくい傾向があるというメリットもあります。
加工性と強度のバランス
プラチナは金属としての「粘り(靭性)」が高いという独特の性質を持っています。
この粘り強さがあるからこそ、職人は小さな爪で宝石をしっかりと固定したり、繊細な彫り模様を施したりすることができます。
なぜ日本で「婚約指輪・結婚指輪」にプラチナが選ばれるのか?
「純粋・純潔・永遠」を象徴する意味合い
プラチナの無垢な白い輝きは「純粋」「純潔」を象徴するとされています。
「永遠の愛」を象徴するダイヤモンドとの相性も抜群で、生涯の誓いを託すブライダルリングに最も相応しい素材とされてきました。
多くの方の肌色に馴染む控えめな品格
主張しすぎない静かな輝きは、多くの方の肌色に自然に馴染みます。
フォーマルな場はもちろん、オフィスや日常のカジュアルな服装でもさりげなく身につけられる点が、毎日着け続ける結婚指輪として支持される理由です。
Pt900・Pt950・Pt850の違いとは?
ジュエリーに刻印されている「Pt」の後の数字は、プラチナの純度(千分率)を表しています。
・Pt950(純度95%)
海外ハイブランドや国内ブライダルリングで標準的な純度。
・Pt900(純度90%)
日本の伝統的な宝飾加工で好まれる割合。
硬度と加工性のバランスが優れており、日常使いのリングに最適。
・Pt850(純度85%)
主に強度が必要なネックレスチェーンなどに用いられる純度。
普遍的な価値を次の世代へ — プラチナの魅力
プラチナは化学的に変質しないため、何十年経っても磨き直すことで新品のような輝きを取り戻します。また、形を変えて仕立て直す際にも価値を損なうことはありません。
資源を使い捨てるのではなく、親から子へ、思い出とともに受け継いでいける「サステナブルな素材」であることもプラチナが持つ隠れた魅力と言えます。
From the WAS KNOT WAS Atelier
WAS KNOT WASでは、プラチナが持つ存在感や確かな耐久性を大切にしながら、一点一点丁寧にブライダルリングやジュエリーをお仕立てしています。
「自分にはプラチナとゴールドのどちらが合う?」「手持ちのプラチナリングのサイズ調整や仕立て直しをしたい」など、気になることがございましたら、ご相談ください。
Written by Hideo Ochi(WAS KNOT WAS Designer / Craftsman)






